コラボレーション活動

3者共創イベント「つながる楽しい楽市」

「つながる楽しい楽市」主催 DNP(大日本印刷株式会社)・MAU(武蔵野美術大学)・MUJI(株式会社良品計画)

活動紹介

大日本印刷株式会社、武蔵野美術大学、株式会社良品計画は、ともに東京・市谷に拠点を持つことから、領域を横断して共創し、地域社会の魅力再発見や、さらなる活力のある街づくりを目指しています。異なる事業/教育活動があるからこそ、所属や世代などを超えた新たな発想や視座が生まれ、ともに継続や成長していく原動力として街に根づいていきたいと考えています。

その取り組みの第一弾として、2023年1月に3者連携協力によるイベント『つながる楽しい楽市』を市谷の拠点を中心に周辺エリアで3日間開催しました。タイトルには、市谷という地名や、自由に楽しく誰でも参加できる場として「楽市」という言葉に想いを込めました。再生紙の可能性を拡張する展示、多彩なトークやワークショップ、地域商店街との交流や情報発信ベースとしての編集部誕生、市谷の杜 本と活字館やカフェ、マルシェならではのイベントや商品開発など、様々な連携から未来に向けた新しい展開も生まれています。

これからも、暮らしに寄り添うアートやデザイン、学び、食の体験など感覚を刺激しながら、人と人とのつながりが生まれ育む街を、皆さんと一緒に楽しむ活動を続けていきます。

企画展「再生紙と暮らす」

限られた資源を活かす循環型社会への問いであり、答えでもある本展。

「何事も粗末にしない」「素材を活かす」「不便も楽しむ」といった発想をもとに、3者のクリエイターが共創し、「DNP紙再生ボード」を活用して作成した「再生紙の小さな家」をその製造過程の動画とともに展示しました。

DNPは、製造工程で発生する余白部分の紙など、製品に使わなかった部分(工場損紙)を再生紙のボード(板紙)にし、什器等の新たな製品にアップサイクルする(価値を高める)取り組みを行っています。今回活用した紙再生ボードには、無印良品の紙製商品の端材を原料に使用。元素材によって表情が異なる再生紙の特性を活かしたプロダクトや什器、空間を、3者のデザイナーがリモートをベースにコミュニケーションしながらプランを形にしていくという、デザイン開発の手法もポスト・コロナ時代を反映した実験的な取り組みになりました。

未来は、いまを生きる私たちの思考と行動がつくります。ものづくりの本質を考えたロングライフな商品開発や、生活者として自らの暮らしを見つめなおしてみる。本展は、世界共通の課題解決に向けた、ささやかな挑戦の始まりです。

ステージ

「楽市」のコンセプトをベースに、言葉や体験を通して時間と場所を共有し、誰もがつながるトークやワークショップを、DNPプラザを会場として多数開催しました。トークイベントでは、アカデミックかつマニアックに市谷界隈を深掘りしたり、望ましい社会のあり方を実践者や研究者の立場で考察したり、学生と教員によるデザイン的な考察に基づいた活動紹介や、日本各地での多様なつながる取り組みの発表などがありました。最終日には、関係者や地域の方がたとのクロストークで、「楽市」の可能性や未来に向けた話し合いなども実施。また、ワークショップでは、ユニークなサコッシュを作る「本とお散歩」や、DNPが開発した情報可視化ツール「みどころキューブ」を活用し、武蔵野美術大学の学生が企画した子供も楽しめる「未来の道具ワークショップ」なども開催し、大人から子供まで豊かな時間をともに過ごしながら、つながる場となりました。

編集部

「楽市編集部」は、市谷の街の魅力を楽しみながら継続的に発信/共有することを目的に武蔵野美術大学の学生や3者の有志で結成されました。今回は市谷界隈を自ら歩き、目や心に残った風景を撮影し、地域の方々と交流し、自ら生み出した言葉を載せた50種類を越えるカードを作品として作成。見慣れた都会の街の坂道の佇まいや商店の店先、道端の植物、ある時間帯に現れる光景など、見過ごしてしまいそうな街の記憶が、作家の個性とともに一枚一枚に表現されています。それらをイベント開催中は、牛込中央通り商店会のご協力をいただいた店舗、およびMUJI com武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス店舗内に設置しました。参加者は、街を散策しながらカードを集めたり、SNSと連動して地域の多彩な情報をリアルタイムに提供するサービス「DNP MAPベース地域振興情報発信プラットフォーム」を活用して、位置情報とともに作品の画像やコメントを確認しながら、編集部が注目した街歩きを楽しんでいただきました。

市谷の杜 本と活字館

開催期間の最終日は、市谷の杜 本と活字館も加わり、自由来館デーとして地域と来場者向けに、オリジナルの活版体験特別ワークショップを開催しました。「箔押しコインケースを作ろう!」は、無印良品の店内で使用していた告知バナーを再利用し、キラキラした箔押し印刷をしてオリジナルのコインケースが作れるワークショップです。もう一つは、「ノートに活版印刷をしよう!」。こちらは無印良品で購入したA6サイズのノートの表紙に、卓上活版印刷機で楽市ロゴと好きなひらがな5文字を選んで活版印刷できるワークショップです。活版印刷を知り、学び、しかも触れる楽しみは、お子さんから大人まで世代を問わず、あまりの人気にあっという間に満員となり、追加でワークショップ参加人数を大幅に増やしました。

マルシェ、問いカフェ

味わって楽しむ「楽市」として、MUJI com武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス前のウッドデッキには、焼き菓子店や雑貨屋などが出店。また、DNPプラザ1階の問いカフェでは、オリジナルのフードを2種企画。縁起物でもある紅白のキャンディは、「楽市」という文字があしらわれた金太郎飴。アンケートにお答えいただいた方や、ステージの来場者に配布し、美味しいお土産として好評をいただきました。また、「楽市」のロゴ入りどら焼きは、春になると市谷をピンクで彩る桜と、抹茶の風味がアクセント。限定販売し、多くの方に口福を味わっていただきました。

  • 未来のあたりまえをつくる。DNP
  • 市谷の杜 本と活字館

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