共創活動

Recycling Meets Design® Project

出展アイデア

FURNITUREとFUTUREの間にある生活材
RNI(アルニ)

本プロジェクトがスタートした同時期に引っ越しをしました。その時に低コストで買える「ファスト・ファニチャー」にものすごく助けられましたが、買ったものにプラスチック家具は少ないのになぜかプラスチックゴミはたくさん出てしまいました。また家具の組み立て作業では途方も無い道のりを経験することになりました。そのような体験から、再生プラを活用することでファスト・ファニチャーと接点の多い若者に何か新しい形の家具を届けられるのではないかと考えました。一層「家具」という概念自体を見直し、日常の暮らし方を変える「生活材」を再生プラで作れたら面白そう。そのような思いから生まれたのが「RNI(アルニ)」です。

名前「RNI」はFURNITUREとFUTUREの間にある生活材という意味を込めました。「RNI」の大きなポイントは特定の用途を決めすぎないゆるさです。スツール、ローテーブルや物を収納する棚として使用することができます。「こう使ってほしい」というルールを排除し、ユーザーが自由にころころと回転して使ってくれることを想定しています。積み上げれば文庫本にフィットする棚ができあがり、A4用紙や雑誌も収納できます。

また、日本は床に直接座る習慣があるので座面の高さが床と離れすぎないほうが良いと考え、人が集まるだんらんのシーンでも溶け込んでくれるようなサイズにしました。「家具としてではなく、あくまでも道具に近い生活材」を目指して、お風呂のイスとスツールの間くらいのボリューム感にしました。

再生プラの色は温かみがあって生活空間と調和します。バンドを巻きつけることでスタッキングが可能になり、デザインのアクセントとしても楽しめます。布を巻き付けることで再生プラとは違った印象にしたり、ファブリックやウレタン、コルクなど多素材との組む合わせを楽しむことができます。

最後に「RNI」に欠かせないのが、仕組みです。実際にそれがどう循環し社会に貢献するかです。まず生活材を、Z世代が集まる場所に提供し、各事業者がユーザーにサービスとして備え付け家具のような感覚で提供します。そしてそれがリサイクルされ新しい「生活材」を作る材料となります。若い人たちへの負担は最小限で、無理なくデザイン性の高い物を使い続けることができます。今回提案した「生活材」は代表例に過ぎません。今後は再生布や再生木材などを用いた「生活材」の展開も考えています。生活材と循環型システム。これら2つを組み合わせた結果、Z世代に向けた新しい「生活材」が実現すると考えています。

  • 「こう使ってほしい」というルールを排除し、ユーザーが自由にころころと回転して使ってくれることを想定しています。

  • ファブリックやウレタン、コルクなど多素材との組む合わせを楽しむことができます。

デザイナー

  • 板倉 真紅(株式会社GTDI)

    1996年生まれ。東京都出身。2018年にキングスカレッジロンドン大学経営管理学部を卒業。2020年にミラノデザイン工科学校を卒業。同年株式会社GTDIに入社。

  • 杉本 優弥(株式会社GTDI)

    1989年神奈川県生まれ。 2014年に多摩美術大学プロダクトデザイン専攻を卒業。 雑貨メーカー、 デザイン事務所でプロダクトデザイナーとして勤務したのち、 2017年に株式会社GTDI入社。 商品パッケージを中心としたグラフィックデザインを手掛けている。

    www.gtdi.co.jp

  • 未来のあたりまえをつくる。DNP
  • 市谷の杜 本と活字館

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