共創活動

Recycling Meets Design® Project

出展アイデア

ソーシャルマテリアル を ソーシャルプロダクトに繋げる
義足カバー制作

今回のテーマである再生プラスチックは、現代社会の課題を抱えた象徴的なマテリアルです。この再生プラスチックを使用して作られることにより、存在意義が更に増す対象は何かを考えた結果、私たちは「義足」という題目に辿り着き、「ソーシャルマテリアルをソーシャルプロダクトにつなげる」そんなストーリーを基軸に、アイデアを掘り下げました。そして吉田義肢装具研究所のご厚意で、現場を見学させて頂くと共にご意見を伺い、「義足そのものを制作することは困難ではあるものの、義足カバーを作ることは可能ではないか」というアドバイスを頂き、アイデアの具現化に向けて動きました。

義足カバーのデザインは様々ありますが、近年の傾向として「失われた部分を隠す」という消極的な用途ではなく、逆に誇張して「その人の個性を魅せる」ような積極的なデザインも多々あります。この潮流を踏まえ、この再生プラスチックで作られた義足カバーを装着することで、使用される方の身体を支えるだけではなく、気持ちを支え、生き方そのものを再生できないか。そんな思いを込めて、私たちは2点のアウトプットを考えました。

1点目「WITH THE WIND」
は、再生プラスチック特有の優しい色彩に呼応した多様な価値観を包み込むデザインです。風を孕んだよう形状は未来へと前進する力を、そして1本の赤いラインは、そこから生まれる信頼や自信を表現しています。

2点目「SPIRAL POWER」
混ざり合うことで生まれる再生プラスチックの特性を生かし、絡み合うフォルムで脚を力強く立ち上げるデザインです。伸び上がるスパイラルな造形と、空間を横断してつながる1本の青いラインで立ち上がる意志と、未来へのつながりを暗示させました。

加えて私たちは、これらの義足カバーにかかる費用を、使用される方と協力企業で折半できないかと考えています。義足制作にかかる費用は高額です。間に企業が入ることにより、使用される方々の負担を大きく軽減できると共に、社会からの支援を実感できます。

また、企業の社会貢献が必須である現在、協賛企業はこの活動に参画することにより、ブランドイメージの向上が期待できます。人々と社会の関係を企業の力で厚くする。私たちが考えたアイデアが、再生プラスチックを様々な社会解決につながる素材として積極的に活用される流れを生み出す発端になれば幸いです。

デザイナー

  • 金内 幸裕(資生堂クリエイティブ株式会社)

    1984年福岡県生まれ。2008年多摩美術大学造形表現学部デザイン学科卒業、FABRICA・ISSEY MIYAKEなどを経て資生堂に入社。
    以降、Clé de Peau Beautéなどのアートディレクションを手掛け、現在に至る。

  • 任田 進一(大日本印刷株式会社)

    1971年神奈川県生まれ。1995年武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業、同年大日本印刷に入社。以降、多方面のパッケージデザインにおけるアートディレクションを手掛け、現在に至る。日本パッケージデザイン協会会員

  • 未来のあたりまえをつくる。DNP
  • 市谷の杜 本と活字館

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