共創活動

Recycling Meets Design® Project

出展アイデア

屋内外で気兼ねなく使えるランタン
PPPE(ピーピーピーイー)

家庭から排出される「容器包装プラごみ」のうち、半数以上はPP(ポリプロピレン)とPE(ポリプロエチレン)が占めています。私は「生活者がPP/PEを何者か知ることで、素材の価値を高める為の第一歩になるのではないか?」と考えました。それを伝える手段として、①PPとPEの特徴を活かせるもの、②再生プラスチックとして生活の中で役に立つもの、という2つの視点でアイデアを検討しています。

①PPとPEの特徴を活かせる2つの素材の共通点のうち、着目したのは折り曲げに耐える特性が高いということです。この特性を利用し細かい折りを連ねる事で、「構造的な強さ」と「伸縮する柔軟性」を兼ね備えた、素材の新しい可能性が見えてきました。

実際に折りを検討したのが、「なまこ折り」です。上下方向に軽く力を加えると、紡錘状からドーナツ状に変化します。成型方法は、型抜き加工にて穴を開け、折り目をつけることを検討しています。

②の再生プラスチックとして生活の中で役に立つものとして、屋内外で気兼ねなく使えるランタンを提案します。シェード部分への折り加工によって伸縮性を持たせ、用途によって形状を変化させることができます。素材に再生樹脂を使用することで、独特の風合いを持たせつつ、屋外でも汚れ等気にせず使用することができます。オーナメントのような表情も相まって、屋内外を問わずに、照らしたり飾ったりしながら、私たちの暮らしを豊かにするアイテムです。

床や地面に置くときは横に膨らんだ形へ変えることで、拡散する光と影を楽しむことができます。プラスチックなので、水に浮かべて楽しむことも可能です。また充電式のLEDライトを使用することで、災害時や緊急時に使用することも想定しています。

内部構造としては、LEDユニットを仕込んだシリンジ、いわゆる注射器の筒を組み込み、その上下によって折りの形状を変えたり、固定きるよう想定しています。

最後に今回の提案をブランドと捉えると、「プラスチックという素材の価値を高めること」が当面の使命であり、そのためには、PP/PEの特性を多くの人に知ってもらい、再生プラスチックが生活の中へ自然に入り込むことが行動指針だと考えています。今回のランタンはひとつのアイデアですが、「折り」という技法を加えることによって、構造的な強さと伸縮する柔軟性を兼ね備えた再生プラスチックの可能性は、まだまだアイデア次第で広がりがあるように思います。

デザイナー

真野 元成(株式会社GKグラフィックス) 1975年静岡生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科
卒業、同年GKグラフィックス入社。ブランディングを中心としたパッケージデザイン、サインデザイン、UI/UX等に携わる。
現在は、デジタルデザイン部にて地域DXや次世代のコミュニケーションデザインの在り方について取り組んでいる。SDA優秀賞、グッドデザイン賞受賞。2016-2019年 長岡造形大学非常勤講師。

www.gk-graphics.jp

  • 未来のあたりまえをつくる。DNP
  • 市谷の杜 本と活字館

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